私が20年ほどデザイン業務に関わって来て、最も重要と思えるのは・・・出来たもの・出来ているもの、どちらについてもいかに良い方向へ「育てていく手助けが出来るか?」ということです。
新しく出来たものは、「仏つくって魂入れず」ではいけませんし、現存しているものは「新陳代謝」を活発にしなければ活き活きとしなくなります。
どんなにいいと思えるものをつくっても、持っていても、努力を継続する姿勢を失ったり、間違った努力をすると・・・徐々に・そしてだんだん目に見えて、あらゆる力が弱くなってしまいます。
私が経験のなかで痛感して来たことは、
「お店は生きもの!」ということです。
いいデザインとは何か?という疑問に対して、常に自分に問いかけを続けてきたわけですが、お店が元気になると、経営者や働く人も皆元気になる!という事だけは事実です。
新しい店がオープンしたり改装をすると、これは顕著にあらわれます。つまりその時は、皆本当に元気で活き活きし、こちらもそのオーラを感じて心からいい気持ちになれます。
しかし一年くらい経ち、店も人もすっかり元気をなくしてしまい・・・人間で言うと、若々しさがすっかり失せて老けてしまった?ような雰囲気を目にする事があります。
そんな時、自分が関わって出来た店であることに対し、
なんとも言えないような寂しさや責任を感じてしまいます。
きれいごとではない、現実をたくさん見てきました。
お店がすっかり老けてしまったとき、
自分に何かと言い訳をしてみたり・・・しました。
でもやっぱり元気な店は、そのチャンスにもっと元気になれるし、元気のない店だって、皆で知恵を絞ればまた必ず元気になる!生き物だから、病気を治したり、栄養を与えたり、悩みを話しあったりすると、必ず元気になる!そう思えてしょうがないのです。
実際一緒に魂を入れ続けている店は、元気で努力し続けてくれて、それを見ているとこちらも楽しくてしょうがない。その経験をすればするほど、自分のやるべきことは何か?という思いに包まれます。
もうどんなものが出来ても、
その一時的な感覚には満足出来なくなりました・・・
結局自分は人間好きだ!モノはあくまで人間の為!モノをつくるためにモノをつくってはいけないと、当たり前のことを今更ながらつくづく思います。
そのような気持ちから、
継続して相談に乗る・提案する、その大切さを感じ、「サポートし続ける!」ことを仕事として積極的に行って行こうと決めたのです。
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